梅雨入りしましたが、それほど降水量も多くなく、なんとなく夏に近い季節の様です。
おかげさまで、そうめんやひやむぎのご注文を沢山いただける様になりました(嬉)。
毎年、聞かれる質問なのですが、「そうめん」と「ひやむぎ」の違いについて、参考書籍から抜粋してみましたので、お役に立てればと思います。
『言葉の由来』
そうめん
奈良時代に中国から渡来した唐菓子の一種「索餅」または「索麺」がその起源である。
「そうめん」は「索麺」の音便で、「素麺」は当て字である。
「索」は縄・網を表し、索麺とは縄のようなめんという意味である。
素麺は、文字の意味からすると白いめんである。
しかし、そうめんがうどんなどに比べてとくに白いわけでもなかったので、索を素と書き誤ったか、「さくめん」が「そうめん」と転訛したので、それにふさわしい素の文字が使われるようになったのではないか、とする見方がある。
また、禅寺で精進料理として食べられたところから、素麺の名が当てられたとする説もある。
ひやむぎ
室町時代に、小麦粉を練って延ばして、包丁で細かく切っためん類を切麦と称した。
この切麦をゆでて熱いうちにせいろに盛って食べたのが熱麦(あつむぎ)、ゆでたものを洗って冷やして食べたものを冷麦(ひやむぎ)といった。
したがって、冷やしそうめんのこともひやむぎといった可能性もある。
うどん
奈良時代に中国からもたらされた唐菓子の一種に混沌(こんとん)があった。
これは、小麦粉の皮で肉などのあんを包んだ丸いワンタンのようなもので、丸い端のない形から「こんとん」と呼ばれた。
これが食べ物であることから、混沌が食偏の 餛飩(こんとん)と書かれるようになり、さらに熱く煮て食べるところから温飩(おんとん)になり、それが饂飩(うんとん)に転訛し、室町時代にはうどんになったとされる。
15世紀の日記類には、饂飩、うとんという言葉が現れる。
江戸時代には、うどんとともに、「うんどん」という呼び名が用いられていたという。
【安藤剛久著:乾めん入門】より
『手延べそうめんJAS(用語定義)』
手延べそうめん類
小麦粉を原料とし、これに食塩、水等を加えてねり合せた後、食用植物油を塗布してよりをかけながら順次引き延ばして丸棒状のめんとし、乾燥したものであって、製麺工程において熟成が行われているものをいう。
手延べそうめん
手延べそうめん類のうち、直径が1.3mm未満の丸棒状に形成したものをいう。
手延べひやむぎ
手延べそうめん類のうち、直径が1.3mm以上1.7mm未満の丸棒状に形成したものをいう。
手延べうどん
手延べそうめん類のうち、直径が1.7mm以上の丸棒状に形成したものをいう。
【手延べそうめん類の日本農林規格(平成6年12月26日 改正)】より
基本、原料などは一緒で、太さの違いという事の様です。
また、地域によっては太さに限らず、そうめんと言ったり、ひやむぎと呼ばれたり。
中には、ピンクや緑の麺が数本入ったものをひやむぎと思っている方もいらっしゃる様です。
そうめんを食べながら、そんな豆知識が薬味がわりになれば幸いです。